劇中劇の弁天小僧からスタート。
花道から傘を小さく開きながら登場。高下駄で歩いて舞台中央へ。
登場シーンでは演出用の掛け声が。「待ってました!」「加賀屋!」「日本一!」など。
会場からも拍手がかさなり、スターの登場!という気持ちよさ。
長セリフで見栄を切り、~~~~~弁天小僧~~~とは 俺のことだぁ。
傘を開いて背負い、正面を見据える姿がきまってるなぁ。
傘対役人の棒の立ち回り。
キメポーズが決まったら歌舞伎調の幕。
出待ち町人とゲンセキ先生の登場があって、女優姿の歌右衛門登場!
ポスターにある髪型(紫のひさしみたいのつけてる)で、衣装は青と白。
いや~、美しい。
話し方も声も弁天小僧とはすごいギャップ。
大物感バリバリのスターオーラで一気に舞台が明るくなる。
リアルな坂本冬美さんのステージ登場のときもこんな感じだから「大物役」を「大物」が演じてる感じ。
目が見える、見えないのやりとりなので、歌右衛門の表情に注目すると、見えていそうな・・・でも見えていなそうな・・・上手いなぁ・・・
前列で見ても、2階、3階で見ても、不思議なことにこの目が見える、見えないの微妙な感じは同じように伝わる。
カゴに乗って花道を退場する姿がまたかっこいい。
花道の両側のお客さんに手を振りながら、やっぱり大スター。
長年スターであり続ける冬美ちゃんと歌右衛門は分身みたい。
町娘やお姫様じゃなくて、芸に生きる人の役っていうのは、役者さんが演じるのと違って冬美ちゃんにしか表現できない部分が多いように思う。
ストーリーが見えない序盤で感じることは、スターがスターの役を演じている。このオーラはスターじゃないと出せないだろうなぁ・・・とか、主役と脇役の違いとか、スター役をできる人の希少性とか・・・とか・・・そんなことを思う。
カスケというゲンセキ先生の下僕が今回の裏主役(笑)。
一番の見せ場(笑わせ場)がゲンセキ先生を追って登場するこのシーン。
手紙を読むくだりはアドリブが多く、終盤はフナッシーネタが好調。
わかっていても笑ってしまう。喜劇ってそうだよね・・・。
沼津の宿では湯上がりの歌右衛門が登場。
湯上りといっても、バスタオルで出てくるわけでもないが、髪をおろして(カツラだけど。)、薄手の着物姿がなんとも艶っぽい。
仕草も話し方も・・・いい女。
以前もこの役をやっていたと聞いているし、パンフレットも見ているけど、この感じはやっぱり今の冬美ちゃんにしか出せないのでは?
映像で残っていないのが残念すぎる。見比べたかったなぁ。いい女。
お気に入りシーンは「目から頭にかけてなんだか痛がいとぅて・・・」ってところ。
関西弁と仕草と・・・いやー、これはギュッとしたくなる名シーンだなぁ。
本当の名シーンは、行燈の火が見えなくて「目の前に!?」から「こわい・・・」に続くあたり。
迫真の演技に客席からすすり泣きが聞こえ始める。
ゲンセキ先生が登場して、自殺をとめてくれて目を治すことに命をかけると言ってくれるあたりも心強い。
ゲンセキ先生が歌右衛門の腕を強く掴むので、毎回痛くないか心配になる。
幕が下りる直前、肩を震わせ泣く姿がかわいそうすぎて・・・(泣)
「目のみえん役者は生きていても仕方ないんやぁ・・・・」に毎度
「そんなことないぞ~!もし歌わなくなった冬美ちゃんでも私は愛し続けるぞ~!」
と思ってしまう。
手術を終え、目が見えるようになるシーン。
かつてガラスの仮面では、ヘレンケラー役を姫川亜由美と北島マヤがダブルキャストで務め、一番の注目シーンはヘレンケラーが言葉を理解するシーン・・・井戸水に触れたマヤが水「WATER」をサリバン先生の手に書くシーンはあまりにも有名(私の中で・・・w)
ということで、光が見えたときの歌右衛門の表現がすばらしくて、ついつい毎回このガラスの仮面を思い出しちゃう。という個人的なお話(笑)
他に例えようがないんですよ・・・(苦笑)
このシーンでのもうひとつの見所はゲンセキ先生がお発ちになると聞いての歌右衛門。
「あかん おとめせんと」「歌吉 羽織を」の感じがですねぇ・・・
ちょっと弱いかと思ったら、やっぱり芯は強いんじゃないのぉ。心配したけど大丈夫なわけね。
という、いつも冬美ちゃんに感じる感情そのままを感じるんです。
で、大好きなシーン♪
特に「あかん」がいいなぁ。これすき~~~♪
日本一の役者さんになることを誓い、江戸での再会を約束してゲンセキ先生が旅立つシーンで第一幕が終了。
この終わり方があまりにもスッキリしているので、第2幕があると思わないお客さんが大半。
休憩後に第二幕がはじまるとザワつくのは、みんなもう歌が始まると思っていたらお芝居だったから。
「もう1つあるの?「え?続き?」みたいな会話が客席中で交わされ、ザワザワ。
しかも、後半は始まって30分くらい歌右衛門さんの登場がないので寂しい。
そんななか、待ってましたの劇中劇、「八百屋お七」の踊りで登場。
ゲンセキ先生ピンチの手紙を踊り中に渡され、その後客席に許しを請う一番の見せ場。
客席後方に役者さんがバラバラに配置され、口々に歌右衛門に掛け声をしていく。
前方で聞いていると、掛け声よりも冬美ちゃん・・・いやいや歌右衛門の迫力で泣ける。
後方にいると歌右衛門を思う観客の気持ちに同化して泣ける。
そう、どちらにしてもジワっと泣いちゃうシーンなのだ。
最後に「お言葉に甘えて ごめん!そうらえ・・・」といって客席の中を駆け抜ける。
その後のおりもさんの「ありがとうございます ありがとう・・・ございます」 が、また泣ける!!
主役が去って感動が残っている会場。この光景、好き~~~~。
最後は約束を果たして駆けつけた歌右衛門に命を救われたゲンセキ先生。意地悪した悪い水戸さん(改心済み)の前で「一世一代」の踊りを披露して幕。
お扇子を両手に持って、最後は2枚のお扇子を片手にハラリと持ち変えるんだけど、これがなんとも難しそうで、決まると拍手!!まぁ、毎回決まるんだけど・・・ハラハラするシーンで幕が下りるってのも冬美ちゃんらしいなぁ。
冬美ちゃんのファンは心配していたいんでしょうねぇ。
大スターでも、ベテランさんになっても、いつでもいつまでも、うちの冬美ちゃんは大丈夫かしら?って。
かぁさん、僕はもう大人なんだから大丈夫なんだよ。
って息子に言われている母の気持ちで・・・
そんなこと言ったって、あなたは遠足の前にお腹痛くなるタイプじゃない。
だから、母さん。僕はもうお腹なんか痛くならないんだよ。
みたいな。(笑)
あれや、これやと息子を気遣う母はそれはそれで楽しいんでやんすね。
息子もいないし、母じゃない私も、そして冬美ちゃんより年下のくせに・・・でも、そんな気持ちなのです。
で、拍手に包まれた会場でニンマリと
「うちのこ、やるでしょ!自慢の子なの。」
と思う。
これがまた・・・最高の幸せ!!
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