あのぉ・・・「麗しの」ってフレーズがとってもひっかかっていて・・・
冬美ちゃんの枕詞にはないフレーズというか、聞きなれない言葉で使ったことないなぁ。と。麗しいって意味がどんなものを指すのか知らない。そんな気持ちでこのタイトルを見ていました。
わかりましたよ。その意味。
まずは、二人がお揃いの鮮やかな青の振袖で登場。
白地に青があやちゃん。青地に白が冬美ちゃん。
もう、幕が開いた瞬間から「来てよかったぁ。」って思う冬美ちゃんの表情。
とても晴れやかで楽しそう。
いつものコンサートの「今日もやりまっせぇ!!」って会場を見渡す表情も大好きだけど、今回の冬美ちゃんはもう少しやわらかい表情。
「ねぇ、あやちゃん。今日も満員よ。見てよ!」「そうねぇ。やっぱり二人っていいわねぇ」
みたいな、二人が目配せするだけでそこには会話が見えるような空気。
「冬美とあや子のお国自慢」として民謡調の歌だけど、いい声!!冬美ちゃん!ぶらぼぉ!!ちょっとしか口を開けない冬美ちゃん独特の歌い方なんだけど、そこから出てくる声は身体にしみわたる響きで伸びやかで心地良い。
軽くステップを踏みながら、時折お揃いの振り付けを交えつつ、とにかく二人の笑顔がまぶしい。すごく幸せな空気が会場を明るく楽しく照らしていくよう。
トークのときも二人の目配せ攻撃は妬けるほど。
二人のステージを見る前はとっても複雑な気持ちでいたんです。
仲が良いっていっても歌の世界ではライバルだし、同じ仕事だけどファンも違えば歌も魅力も別々。
あやちゃんと冬美ちゃんが好き。っていう人のことを「浮気もの!」と制していたくらいで・・・
二人で共演するんだったら、あやちゃんファンに負けちゃなんねぇ。とか、冬美ちゃんのほうがすごいもん!みたいな。
でも、あやちゃんと一緒のときの冬美ちゃんがとっても楽しそうなのは知ってるし・・・観たいけど、でも、どうやって観たらいいんだろう。あやちゃんが歌ってるのに冬美ちゃん見たらダメかな?だけど、あやちゃんばっかり見てたら冬美ちゃんに浮気者と思われないかな・・・とか(笑)
歌のコーナーは半分ずつで一人ひとりなのかな?それとも一緒なのかな?ってのも気になってました。
あやちゃんと冬美ちゃんの歌の世界はとても違うように思っていたし、見所も違うと思っていたし、あやちゃんの歌をちゃんと見に来たこともなかったから、会場がどんな雰囲気になるのかもわからなかったし・・・
でも、そんないろ~んな思いが、二人が並んで幕が上がったときの冬美ちゃんの表情を見たら・・・吹っ飛ぶわ。マジで。楽しそうでうれしそうで・・・うんうん。よかよか。
祝い酒を冬美ちゃんが歌おうとするとあやちゃんが歌い出し・・・こころ酒をあやちゃんが歌おうとすると冬美ちゃんが歌い出す。これもいい!
特にこころ酒をとっても丁寧に歌う冬美ちゃんに、あやちゃんが「私より上手く歌わないでちょうだい(笑)」これに対して冬美ちゃんが「色気が足りなかったかしら」と答える。
お互いが発する言葉があたたかくて、「いいところも悪いところも知りすぎている」と言うように歌手同士として尊敬する部分は譲り合い、それがとても自然に成り立っている。お世辞じゃなくて本心で尊敬しあっていると感じられました。
ただ仲良しだから一緒にやろうね!というダラっとした感じではなく、さすが二人とも20年以上のキャリアをひとりひとりで乗り越えてきた一流歌手のプロ意識。
私には、「二人でしかできないものをお見せしましょう2009」みたいなテーマが見えましたよ(笑)
二人が一緒に舞台にいるときは、あやちゃんしか歌っていないときでも冬美ちゃんしか歌っていないときでも「一緒に」ステージを作っているし、一人だけで舞台に立つときには「これぞ坂本冬美!」「これぞ藤あや子」というのをキッチリ魅せて聴かせて・・・
とすごいメリハリ。
ピンクのあやちゃんがデザインしたお揃いのドレスも、あやちゃんはあやちゃんの魅力の最大限を、冬美ちゃんは冬美ちゃんの魅力の最大限を、そして、二人並ぶとそれはそれで「ザ・ちぇりぃず」という芸達者でお茶目な二人組に見えるから不思議。
似てるわけじゃないんだけどバランスがいいというか、いつも見る「坂本冬美」と「ザ・ちぇりぃずの冬美です。」はやっぱりまた別人のようで・・・新鮮なんです。そう。とっても新鮮です。
思いっきり妄想ですが、きっとあやちゃんは「演歌歌手 坂本冬美」よりも普段のまめちゃんのほうがかわいいのに。そんなところを見せてあげたい。冬美ちゃんは「妖艶な藤あや子」だけがあやちゃんじゃないのに。そんなところを見せてあげたい。そんな気持ちで私たちに20年以上封印しているお茶目さを、歌を通して伝えてくれようとしているんじゃないか。そう思いました。
完全に「ない!」と言い切れるのは「私のほうがすごいでしょ!」みたいな感じ。
一緒に歌うところも声が溶け合うような「ハーモニー」って感じで、誰とは言わないけど共演したときに「私のほうがすごいでしょ!うまいでしょ!」って競ってくるいやな感じあるじゃないですか?あれがない!!
だから「ザ・ちぇりぃず」は新鮮でユニットとしてとっても気持ちよく歌も聞こえるし穏やかな気持ちで見られるんだと思います。
以前からお互いのファンはやっぱりライバルな部分があるけど、本人同士にはないんだろうな。と思っていたギャップが埋まった。そんな感じなんです。
見た人なら感じたと思いますが、あやちゃんの表情も冬美ちゃんを包むようにやさしくて、冬美ちゃんに声援が飛ぶと「冬美ちゃん。こんなに応援してくれるファンがいてよかったじゃない。安心したわ。」みたいな、勝手かもしれないけど、本当に家族なんだなぁ。って思えるあたたかさがありました。
そんなあやちゃんに対して、バリバリ坂本冬美至上主義の私もライバル心はすっかりなくなってしまって、「冬美ちゃんのこと、こんなに元気づけてくれてありがとうございます・・・」みたいな(笑)勝手に自分も家族気分で「いつもありがとうございます・・・」みたいな、本当に素直に二人を見るのがうれしいと思います。
最後のほうで、「いつも一人で舞台を務めるけど、二人だとこんなにも気が楽なんだなぁと思います。」という冬美ちゃんに、あやちゃんが「相手にもよるわよね。」と言ったときの冬美ちゃんの表情・・・うんうん。よかよか。
そうだ!アジアの海賊は別世界でかっこいいですよ!もちろん。
未だ正視できないほどのかっこよさ。
これまた不思議なんだよなぁ。紀ノ川をまっすぐまっすぐ歌う冬美ちゃんがいたかと思えばアジアの海賊でビッシビッシかっこいい冬美ちゃんもいて、そんな切れるような緊張感を一瞬にして溶かしてしまうようなあやちゃんとのお茶目な冬美ちゃんもいて・・・
本当に贅沢なステージです。
最後の曲は二人で歌う「見上げてごらん 夜の星を」なんだけど、もう、この選曲してると思うだけで泣けちゃうんです。
手を差し伸べながら
♪ ふたりなら 苦しくなんて ないさ ♪
もう、この頃になったらあやちゃんへの思いは「ありがとう!!!」しかないと思いますよ。冬美ちゃんファンなら(笑)
お芝居もそうだけど、好きな人が他の人と視線を交し合うのは妬けるけど、それを遥かに超えるあやちゃんの大きさ、あたたかさに包まれちゃうんですよ。不思議なんです。この感覚。
うまく伝えられない感覚なんですが、決してベタっとはしてないんです。仲良しだからいいんだもんねぇ~!みたいなんじゃなくて、もっとプロの歌手同士のキッチリ魅せます、聴かせますがあって、更にふたりのあたたかい心が客席にまで広がっていくんです。
これがテレビのバラエティでは「仲がいいんだね」しか伝わってこないのが、舞台から伝わるプロ二人の完成度の高い新鮮なステージとの大きな差だと思います。
「二人でしかできないものをお見せしましょう2009春」
うん。とにかく観て、聴いて、感じてもらいたい素晴らしいステージです!!
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