2012年4月17日 走れ歌謡曲書き起こし byさちこさん

小池可奈さん「今朝のお客様お越し下さいました、坂本冬美さんです」

 

坂本冬美さん「おはようございます。よろしくお願いします」

 

小「おはようございます、お願い致します。え~、1年振りです」

 

坂「そうですねえ」

 

小「1年振りですっていう言葉がこんなに重い年ってあります?」

 

坂「いやですねえ、ほんとに」

 

小「去年、冬美さんがお越し下さるって言った時は、ほんとにねえ走れ歌謡曲にお越しいただくのは久し振りで、でもこの1年の方がすごく長く感じちゃった」

 

坂「そうですね、しかも去年出させていただいた時には…」

 

小「東日本大震災があって、来週のお客様は坂本冬美さんですってお伝えしてたんですが、その後余震が続いてしまって、さあどうなるか…誰もが予期できなかったことだったので、1週2週遅れて冬美さんのテープを放送させていただいて、いや~でもあの時冬美ちゃんが行くって言って下さったんですが、まだねえどういう状況かわからないので、お時間がある時に録音させいただいたものを、放送させていただきますって、皆様にもご理解いただいたんですけど…」

 

坂「そうですか~、それから1年ですねえ。ほんとに長い…」

 

小「あのう、ほんとに冬美ちゃんと一緒にその前の年に、大船渡・ 陸前高田…」

 

坂「陸前高田に泊まって、そして大船渡でコンサートやらせていだ いて、もう信じられなかったですねえ」

 

小「ショック大きかったでしょ?」

 

坂「そうですねえ、私は意外と東北の方のお仕事は少なかっんですね、これまで。どちらかというと西の方が多くて、久し振りに東北でもしかしたら大船渡でコンサートやらせていただいたのは、初めてだったかもしれないんですが、ほんとにあのすばらしい景色を見させていただいて、地元の皆さんに応援していただいて、楽しく歌っていい思い出を作って帰ってきた訳ですよね。

で、その後あのようなことになって、もうすぐに私何とか慰問に行けないだろうかって、事務所のマネージャーにお願いしましたら、とてもとても行けるような状況じゃないと。

 

たとえば行くにしても1ヶ所2ヶ所っていうわけにはいかないので、少し待ってくださいって言わ れて、それから1年たってしまったんですが、それはなぜかって言うと、そのずっと以前に松島が舞台の『ふたりの大漁節』っていうの があって、瑞巌寺に歌の奉納をさせていただいて、そのご縁もあって大船渡は行けなかったんですが、松島と野々島桂島、寒風沢島それに塩釜、ここを8ヶ所行かせていただいて、そうこうしてるうちに今度は9月に私のふるさとが台風の被害にあって、それ以降は ちょっと地元の方にに慰問に行ってるような状態で、でも1年たって少し落ち着いたら、まあ落ち着いたらと言いましても変わらず瓦礫 がたくさんあってそれこそ千さんにも映像と言いますかお写真も見せていただきましたけれども、でもこれからね、和歌山の方も半年たって少し落ち着いてきてますので、これから機会を見つけて大船渡に絶対行きたいと思ってますので…」

 

小「ほんとに皆さんね、冬美ちゃんが行きたいと思っても行ける状況じゃなかったかもしれないから、皆さんの状況が整った時にね」

 

坂「そうですね。でも私何ヶ所か行かせていただいて感じたことなんですが、やっぱりこうコンサートやらせていただいたり、体育館で歌わせていただいたり、まだ避難なさっている状態の中で、自己満足じゃないかと思うわけですよ。ましてその何て言うんでしょう去年は4月の震災があってすぐの時だったんで、何か自己満足でそんな状態じゃないんじゃないかって。でも必死に皆さん聴いてくださって、笑顔でありがとうって言ってくださって、でもそれがどこかい つもほんとにこれで良かったんだろうか…っていうのが残ってたんですね。

 

ただまあ、その皆さんの笑顔だけを思い出しながら、自己満足ではなかった、きっと皆さん喜んでくれてきっと力になったは ずだ、って自分に言い聞かせながら今もいるんですが、でも結局は 自分ひとりで身体ひとつでって思っても、色んな方にご迷惑とかご尽力をいただかないとできないことなんですね。

 
それが何ヶ所かやらせていただいて、すごく勉強になったって言ったらおかしいですけど感じたことなんですね。だからほんとに陸前高田と大船渡にお邪魔するとしたら、また結局色んな方にご迷惑をかけることに なると思うので、ほんとにちゃんとした状態の中で、どうぞ来てく ださいって思ってもらえるような状況の中で、行ける機会を見つけたいなと思ってますけども…」

 

小「まあ、迷惑かけるっていうよりは、みんなで力を合わせてっていう風にねえ、時期がそうしてくれると思いますけど、今の冬美ちゃんの話を聞きながらね、ああこの人はこうして自分を戒めながら強く強く頑張ってきたんだなって、なんかこう感動も覚えてます。

  

だから先月3月30日お誕生日に新曲が発売になりましたけど、これがまた沁みる極上の歌でしょう、いろんな体験があって今この歌に出会ったってそんな感じがしませんか」

 

坂「そうですね、谷村新司さんが書いてくださったんですが『人時』大切な人を、まあこの中では父親なんですけど、子供の頃の父親との大切な思い出、それを胸に大人になっても父への感謝を忘れず生きてるんですけども、そしてその父に見ててねっいうて思いで、ですからそういった意味ではこの中の大切な人は父親ではありますが、ほんとに多くの方を亡くされ方々が大勢いらっしゃって、ほんとにご自分の大切な人を思い浮かべながら、ご自分が主人公なって聴いていただければなって思ってます」

 

 

小「我慢して我慢して泣けなかった人が、大丈夫よって包み込まれるように、フッて心が解き放たれるような歌ですよね」

 

 

坂「そうですね」

 

 

☆ここで『人時』がながれます。

 

 

小「坂本冬美さんの新曲『人時』お聴きいただきました」

 

坂「ありがとうございます」

 

小「人の時って書いて『人時』。とてもすばらしいですねえ」

 

坂「ですねえ。やっぱり谷村さんすごいですねえ、ほんとに…う~ん」

 

小「フフフ、ねえ。やっぱり冬美ちゃんおっしゃたけども、聴かれる方によって思い浮かぶ方が違いますね。限定できない所がすごいですよね」

 

坂「そうですね、だから歌う時もついつい私の歌に自分の感情が入ってだんだん盛り上がってくる寂しさが…。熱唱しそうになると『1番も2番も淡々と歌ってね。そうすると聴いてくださる方が自分の世界で自分の大切な人を思い浮かべて聴いてくれるから』って。『で、2番歌った後は思いっきり歌っていいから』って言われて、それまで我慢した分を思いっきり気持ちをのせて歌ったんですけれども。

ほんとにそういった所まで計算ができている谷村さんの中で。だから仮歌の時に来てくださったんですけども、なんか何とも言えない表情で、最後熱唱した時には、『なっ!』てこうしながら聴いてくださってましたね。『うん、それでいいんだよ』みたいな感じで…。ウフフ」

 

小「いや~、その場面もいま浮かぶような感じですけど。カップリングと言いますか、もう1曲の『こころが』という歌、こちらも両A面ということで今回はねえ」

 

坂「初めてですねえ、だから両A面って言われて『えーっ』って思ったんですけど。『こころが』の方は2時間ドラマのエンディング曲、テレビ東京なんですけど、水曜ミステリーっていうその番組のエンディングテーマにしていただいてます」

 

小「すいません、まだ見ておりませんでしたので、今度絶対に見ます」

 

坂「あっ、4月からやっとっていう感じなので、まだ大丈夫なんです」

 

小「じゃあ見ようっと。見ようっとっていうか、聴こうっと。そしてもうご存じの通り3月30日新曲が発売された日には、アルバムも発売されました。最近冬美さんのアルバムと言いますと、え~演歌ではなく、何て言うんですか?」

 

坂「カバーソングでずっとPart2まで出させていただいてたんですが、Part3もカバーかなと思っていたら、ディレクターの山口さんがですね、いや~、もうだんだん先細りになる、と。ある程度枚数
これくらいは売れるだろうみたいなそんな計算とかはやめて、もしかしてこけちゃうかもわかんないけど、まだまだチャレンジしてるんだっていう精神を見せようじゃないかっていうことで、全てオリジナルで」

 

小「あっ、そう。っていうか、前向きなのか後ろ向きなのか良くわからなかったんですけど…。こけちゃうってことはないくらいの力作ですよ、これ。これ作ってこけちゃうかもしれないなんて、え~」

 

坂「まあ、でもそうなんですよ。やっぱり作る時ってそういう不安も。聴いて欲しいっていう気持ちと、でもダメだったらどうしようっていう気持ちがどっかにやっぱり。そういう危機感っていうのがやっぱりあるんじゃないですかね」

 

小「いや~、でもねえ、もったいないくらいの。もったいないっていう言い方は変ですね。アルバムですって言われずに置いといたらもったいないような歌ばかりです。作家陣がすごいんですねえ。ひとり見つけてしまいました、村山由佳さんという名前」

 

坂「びっくりでしょ?あの小説家の…」

 

小「小説家ですよねえ、直木賞をとられた」

 

坂「どちらかといえば官能的な小説家の。でも私はこの詩をいただいた時知らなかったんですよ、読んでなかったんです。で、歌をレコーディングした後で直木賞をとった『星々の舟』とか。これはとても素晴らしいご本でした。でその後『ダブル・ファンタジー』というのを読みました。時々ちょっと『あ~っ』ってこう休憩を入れないと読めないようなすごーい小説で、ですが新作はまだ読んでないいんです」

 

小「冬美ちゃん、純情(笑)」

 

坂「もちろん、あ~すごいなって夢中になって読める所もあったんですけども。あ~、すごい方に書いていただいたんだなってびっくりですね」

 

小「これもほんとに楽しみに聴いていただきたいですね。あと新曲のもう一方『こころが』の方の松尾潔さんは、もう何年も前から冬美ちゃんに曲書きたいっておっしゃってたんですってね」

 

坂「なんかそれもレコーディングした後に、私山口さんから聞いたんですが、このPart2が出た時に山下達郎さんの歌を歌わせていただいたんで、それを事務所にお届けに行った時にたまたま同じ事務所だったらしくて、松尾潔というのが色んな所で公言してると、坂本冬美に歌書くぞ~って言ってるんです。ぜひ書かせてやって下さいって言って下さってたんですって。

それが2年前ですか。ですからこの松尾潔さんていう方は、EXILEのTiAmoとかお書きになってる方で、会うと結構同世代で楽しい方なんですけども、バラードとか書かれるとすばらしいっていう方なんですが、Jpopの世界では。
で、もうまたすばらしい曲を2曲作ってくださって」

 

小「あのねえ、1曲1曲がオーっていう感じで。これまで私たちがほんとにデビューの『あばれ太鼓』の時からの坂本冬美さん像っていうのが、また今度第2章第3章くらいですかね。幕が開いたぞーっていう…」

 

坂「ですからきっとね、松尾さんも村山さんもお会いしてないからきっとイメージだけで、例えば『夜桜お七』を歌う坂本冬美とか『また君に恋してる』を歌う坂本冬美とか。きっと『あばれ太鼓はなかったと思うんですよ、イメージの中には」

 

小「あったけど○○したい…っていうのは湯川先生くらいですかね」←聞き取れませんでした。

 

坂「あっ、湯川先生は知っててくださってると思うんで、そういった意味では湯川先生くらいですかねえ、きっと。あと知らないから書けたっていうのは、あるかもしれないですね」
小「ねえ。でも坂本冬美恐るべしっていう底力っていうか、魅力満載のこのアルバムもぜひお聴きいただきたいと思います。また冬美ちゃん、こうして歌で素敵な愛の心をいっぱい振りまいてくださいね」

 

坂「はい、がんばりたいと思います」

 

小「まあこの時間、日頃は起きてることもないと思うんですが、運転してるドライバーの皆さんに最後ひとことメッセージをお願いします」

 

坂「そうですね、眠くなる時間帯かもしれませんが、このラジオを走れ歌謡曲を聴いてる間は、きっと元気に運転してらっしゃると思うんですね。引き続き安全運転で、頑張って運転なさってください」

 

小「もう色っぽく言っていただきました」

 

坂「ほんと?色っぽかった?フフフ」

 

小「ということで、今朝はお忙しい中を坂本冬美さんにお越しいただきました。ありがとうございました」

 

坂「ありがとうございました」

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