猪俣先生に捧ぐ

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  • このトピックには9件の返信、1人の参加者があり、最後にひろっちにより7年、 4ヶ月前に更新されました。
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  • #8004
    七つ星
    ゲスト

    「恩師猪俣を謳う」特別なコンサートです。行けなくて残念で仕方ありません。どれほど素晴らしいコンサートであったか、りんさんはじめファミリーの方の一言一言から伝わってきて、本当に残念でたまりません。
     猪俣先生との出会いは、小学校5,6年で「女のためいき」でした。いつの時代も子どもは大人の評価など知らぬげに、エグイものに食らいつきます。音楽の時間に、森進一の物まねで歌い、ものすごく怒られた記憶もあります。1969年の「港町ブルース」までわづか3年間で10曲もの作品発表しています。どれもヒットし、本当に本当に勢いがありました。中学時代の私は、PPMから始まり、ボブディラン、ジョンバエズ、JAZZに傾倒していながらも、猪俣公章という変わったお名前と森進一が気になっていました。高校になると、私のとっては特別な存在「藤圭子」が登場します。当時左翼、新左翼、右翼の学生・労働者は「高倉健」と「藤純子」の上映の映画館と「藤圭子」のコンサートでは不思議なことに対立せずに世界を共有してしまうのです。その藤圭子の歌に「怨歌」と命名した五木寛之、将来を決するデビュー2曲目「女のブルース」は藤圭子を不動のものにしました。その作曲家は猪俣公章、私の心に深く猪俣公章という作曲家が刻印された瞬間です。
     「流行歌は時代を反映し、時代を映している」は猪俣公章、「カバーはオリジナルを超えられない」なかにし礼先生と坂本冬美が言った言葉です。坂本冬美は言います「カバー曲はオリジナルと異なったアレンジで、異なった歌として表現する」と、藤圭子の歌が暗いという、あの暗さは新宿25時間キャンペーン(寝る時間を惜しんで、という意味)を行った高度経済成長のひずみが大きく表面化した時代に生きたものでしかわからないですし、フォークル「悲しくてやりきれない」も「リムジン河」に規制がかかった悔しさを知る者にしかわからないのです。冬美ちゃんが歌う悲しくては別物、時代背景が異なるから比較の対象にはならないはずなのですが、冬美ちゃんのカバー曲聞くとそのマイナス要素を知り尽くしたうえで、新たな世界を見せてくれ、虜になってしまいます。たぐいまれな能力を感じます。とても不思議なことです。
     猪俣先生はド演歌の作曲家ではないと坂本冬美も言っています。30年間の作品見渡すと、わかりますね。
    不思議なことに、演歌の世界はなかなか厳しい掟?約束事が多く、なかなか自由に表現できないと、言われています。初期絶頂期にHISというユニット組めたことも不思議です。すべて猪俣先生がプロヂュースしていた時代、演歌どっぷりの先生なら、OKはでないでしょね。「白いかおりの島へ」のド演歌で突き進んでいるデビュー間もない冬美ちゃんに透明感のある歌を歌わせている。冬美ちゃんの才能を見抜き、いろいろ試していた?猪俣先生は、いまある冬美ちゃんの姿を、この時期にすでに思い描いていたのではないかと、思えてなりません。
     森進一さんは子弟の関係というより「同志」に近いと、冬美ちゃんも言っています。すると、猪俣先生が遠い将来を見据えて手元に置いて育てたかったのは坂本冬美だけではないでしょうか。デビュー当時はさほど期待してなかったと冬美ちゃん自身謙遜していますが、冬美ちゃん自身は猪俣先生の思いをしっかり受け止めていたのですね。
     今回のコンサートにかける思いは相当なものだったことでしょうね。
     最後に、こんな素晴らしい歌手が紅白のトリを務めないなんて考えられません。ますます応援したくなりました。

    #8006
    りん
    キーマスター

    なんとなく、「私が語るべきコンサートじゃないな」と思ってたのですが、七つ星さんのこの文を見てスッキリ。

    知らないこと、体験、経験してないことを知ったかぶりでは書けないんですよねぇ。

    猪俣先生の存在も知ったときにはすでにお亡くなりになった後だったし、冬美ちゃんと猪俣先生の雰囲気も番組や文章の中でしか知らない。

    猪俣メロディーの冬美ちゃん含めてオリジナルを「新曲」として体感できなかった。

    本当に残念です。

    歌自体を知らなかったわけじゃないけど、この日に冬美ちゃんが乗せて歌った想いは、その時代を一緒に過ごせたファミリーと同じようには感じられなかったとおもいます。

    どんなに過去もの映像見たって、リアルタイムで時代背景含め、また自分の生活環境含めて本当に感じた体感と同じものにはならないんだもの。

    真逆の感想を抱いたのが30周年のリサイタルでした。
    今日初めて見た人も、デビューからずっと見てきた人も同じように素晴らしかっただろうなあ。と。

    それぞれの想いというより、積み重ね含めて「今」を見て!そんな感じがしました。

    今回の猪俣先生を謳うは、「あの頃の方々、今の私をみてください。今の方々、あの頃の楽曲を知ってください」
    そんな双方向、二つのテーマがあったように感じました。

    とにかく素晴らしいのは一曲ごとに語り尽くせないのですが、自分の30年間やもっと前からの人生と、冬美ちゃんへの関わり方によって感想が一人一人異なるコンサートなんだろうなあ。と思いました。

    冬美ちゃんが「やっと猪俣先生の作品が似合う年代になってきたと思います」と言っていたのですが、年齢というより、磨き上げられた表現力でやっと曲本来の魅力を伝えられる。

    なんだか、とっても嬉しそうな冬美ちゃんなのでした。

    #8008
    七つ星
    ゲスト

    りんさん、おこがましくて申し訳ありませんがなんと柔軟で本質見抜くセンスと感性お持ちの方なんだと、改めて感じております。コンサートリアルに見てない私が言うのも変ですが、双方向、二つのテーマ、まさにその通りだと思います。確かに流行歌は時代の中にありますが、その中にも時代を超越した普遍的なものがあります。そこの部分、冬美ちゃんは的確にとらえ、五感すべてを使い、表現しているのだと思います。歌手の中には、オリジナルの物まねになってしまったり、逆に自分の個性を強く出しすぎ、イメージを損なうということも見受けられます。それに反し冬美ちゃんのカバー曲は、まるで異なっています。ですから、何度でも新鮮に聞くことができ、今を感じさせてくれるのだと思います。話は少々変わり、以前からお希望してる、美空ひばりさんの「みだれ髪」、冬美ちゃんは高音で「難しい」から、と仰っていましたが、冬美ちゃんの高音の実力は皆知るところです。技術的な問題ではなく、女心の機微を表現するところがまだまだ、と思っていたのでしょう。しかし、今年、海峡と鮎は今までにない冬美ちゃんを見せてくれました。「みだれ髪」そう、遠くない将来聞けるかもしれません。冬美ちゃんのカバー曲はこんな期待もさせてしまうのです。こんな冬美ちゃんを見初めた猪俣先生恐るべし!

    #8013
    ひろっち
    ゲスト

    七つ星さん、初めましてです!

    「女のためいき」で子供心に衝撃を受けた同じ世代の人間として何か、親近感を抱きました。私は10歳でしたから、同じ年代かとお察しします。あっ、こんな事言えば年齢がバレちゃいますね。苦笑

    でもあの曲を初めて聞いた時の、魂を揺さぶられるような衝撃は未だに思い起こしますよ。

    藤圭子さんも然り、言葉では言いようのない歌い手さんでした。

    私自身は、ごく常識的な日本人と自負してますから
    左翼ではありませんが、東京の大学に通っていたころはそういう思想の友達もいて、フォークルには傾倒したこともあります。リムジン河はイムジン河であったと記憶してますが? 
    この歌の詩はうさんくさい政治的な匂いがふんぷんで嫌いなのですか、メロディーは大好きでした。
    なぜかしら、原語つまり、韓国語で、今でもすべて歌えるのですが、不思議に心に残っているのですかね。

    でも、学生時代の私たちは、フォークや演歌やジャズではなく、クラシック音楽に傾倒しておりました。
    だから、足繁く通ったNHKホールが冬美ちゃんのリサイタルの会場として何十年ぶりかで行って懐かしく感慨深いものがありました。(リサイタルのレポでもちらっと書いた記憶がありますが)

    クラシックと言えば、オリヴィエ・メシアンという作曲家がいらっしゃいます。そう、あの小澤征爾さんが
    彼のトゥーランガリラ交響曲を日本初演したことで有名になったので、ご存知かも知れませんが、
    そのメシアン先生のパリの、コンセルバトワール
    (高等音楽院)の教え子の一人に吉田進さんと言う音楽家が、いらっしやいます。

    冬美さんのファンの仲間でもご存知の方もいらっしやると思いますが、彼は演歌好きとしても有名で、著書
    「パリからの演歌熱愛書簡」の中で坂本冬美さんを絶賛しています。
    特に裏声のテクニックとかヴィブラート、こぶし
    巻き舌、うなり その他……
    著作権の問題もあるので、詳しく引用はできませんが、88ページあたりです 笑
    藤圭子さんや猪俣先生についてもかなりのペーシをさいて記述されてたと記憶してます。

    少しアカデミックかも知れませんが演歌を語る上で是非とも読んでいただきたい本です。

    私は七つ星さんのように音楽の造詣が深くはありませんが、演歌やポップスも好きです。
    ですから、今回の愛しの猪俣先生コンサートを鑑賞して、懐かしさとともに自分も年をとってしまったのかなって、そして、冬美さんのような歌手を後世に伝えていければなって思った次第です。

    紅白で歌ってほしい曲に関しては別トピですので、ここでは触れませんが、七つ星さんと同意見なので、妙に親近感が湧いて思わず、書き込みしてしまいました。

    失礼致しました。

    #8022
    七つ星
    ゲスト

    ひろっちさん、初めまして。
    正直、この年齢で、このブログに投稿することが実は気恥ずかしいのです。このところ頻繁に書き込みしてますが、これもほぼ1年ぶり、年末になるといてもたってもいられなくなるのです。実はベテランファミリーとかアンダーファミリーとかの表現もあまり好きではないのです。私も冬美ちゃんがデビューした時から気になる存在でしたので、ファン歴30年のキャリアがあることになりますが、しかし、やはり当時は私にとって演歌は二の次でしたのであまり熱心でないファンでした。しかし、風向きが変わったのはデビュー時の突っ張り歌手(当時はそのように思っていました)が休養宣言した時です。精気がなく痩せ、憔悴しきっている様子を見た時が本当に興味を持った瞬間です。正直これで天才歌手坂本冬美も引退かと思いました。1年で復帰するとはゆめゆめ思っていなかったのです。復帰後の活躍は皆さまご存じのとおりです。ですから実キャリアはアンダーの方と変わりません。それどころか、生の冬美ちゃんのコンサートは2~3回/年が良いところなので、圧倒的にアンダーのかたのほうが冬美ちゃんに接していることになります。にもかかわらず、年末が近づくと書き込む衝動にかられます。猪俣先生に捧ぐで書いた、デビュー当時の冬美ちゃんを取り巻く時代背景など、若いファミリーに冬美ちゃんをより深く知ってほしいからです。かなり上からの目線であることも理解してます。その代りにアンダーの皆様からは新鮮な感性をいただいて過去に埋没しないように努めています。
    私たちの世代は「遅れてきた世代」と言われてきました。圧倒的多数でエネルギッシュな団塊の世代の背中見てきました。68年、69年の新宿騒乱の時で高校1年でしたが、すでに運動に身を投じた友人もいました。少々距離を置いていた私、しかし、時代の空気からは決して無縁であるわけではありません。そうそう、ご指摘ありがとうございます。「イムジン河」ですね。
    私はピアノやっていました。バイエルから始まり、ブルグミューラーまでいったのですが、中学の時PPMがすーと心に入り込み、そこでやめてしまいました。クラッシックへの入り口で脇にそれてしまいました。
    今思うと続けていればクラッシックに向かったかもわかりません。「パリからの演歌熱愛書簡」探してみます。ほぼ同世代ということでダラダラ書いてしまいました。駄文お許しを。

    #8026
    ひろっち
    ゲスト

    七つ星さん、返信ありがとうございます。

    同じ世代として擁護するわけではありませんが、
    頻繁に投稿る事は恥ずかしい事ではありません!
    私のようなこの板の新参者が言うのはおこがましいのですが、
    上から目線もおおいに結構だと思いますよ!

    私なんか、個人的な感が行き過ぎたコンサートレポとかの書き込みをしますが、温かいご批判をいただいたりしていますし、積極的な賞賛ではないにしろ、消極的な同意、つまり「ほったらかし」にされたりとかしますが、それもまた、楽しんでいます。
    決して悪意のある批判や無視、つまりシカトされるのではなく、「賛同はせんけど、まぁわからんでもないわ」みたいに懐の深い人たちばかりなので、感謝もしてますし、ほったらかされることが居心地の良さでもあるのです。
    仕事が忙しいと、こちらも書き込みをほったらかしてしまいますので、あまりえらそうねこともいえませんしね。笑

    それと、ピアノを学んでらしたと言う事で、ブルグミュラーと言うとモーツァルトとかのソナチネにいく手前くらいという理解でよろしいのでしょうか?
    私は音楽を奏でたりできず、またスコアも読めないので尊敬致します。

    そこで、以前から音楽に造詣の深い方にお聞きしたい事があったので(猪俣先生の作曲手法とか)
    また、後刻、もしくは、後日に書き込みさせていただきたく存じます。 

    とりあえず失礼致します。

    #8028
    りん
    キーマスター

    (笑)ほったらかしって(笑)

    わたし?(笑)

    すんませーん(笑)

    #8032
    ひろっち
    ゲスト

    ん? なんですか~!?
    いきなり、ビックリしたぁ 笑

    ていうか、このトピックをご覧いただいていたとは……
    びっくりです。

    でも、これはほったらかしではなく、また、同じ世代が傷をなめあっているわけでもなく、単なる懐古趣味でもないのです。

    七つ星さんがおっしゃるように、猪俣先生が生きてこられた時代を見つめ直し、伝えることによって、そのお弟子さんである坂本冬美さんを、より理解する一助になればと思うのです。

    決してアンダー世代をほったらかした偏狭なトピではないと思うのです。

    音楽を感覚的に捉える事を全否定するわけではないのですが、「この曲はいい曲だから聞け!」みたいな押し付けではなく、理論的な裏付けもしていけたらって考えてました。

    少し難解なテーマになるかも知れませんが、どうかご理解のほどを……。

    #8034
    七つ星
    ゲスト

    ひろっちさん、まさにその通り、でも少々思い込み、愚痴、長話が多くなり反省しています。年齢を重ねるとは悲しい面ありますね。ピアノの教則本の順番も遠い昔ですので忘れてました。おっしゃるとおり、ブルグミューラーはツェルニーの後だったかな?そしてソナチネの後ソナタの途中で終りました。つづけてたら新垣さんのピアノ演奏、ああだ、こうだと言っていたかもしれません。つづけてなくてよかったのかも。教えていただいた「パリからの演歌熱愛書簡」西武の三省堂に行きましたら絶版とのこと、本日は手に入りませんでした。ネットで書評見たら、冬美ちゃんのくだりファルセット絶賛していました。なんとしても探したいと思います。冬美ちゃんのファルセットはとても自然で「見てみろ」感がなくさりげないのです。
    オリジナルの歌手が個性を生かし、ファルセット部分でこれでもか、と聞かせるところ冬美ちゃんがカバーするとファルセット部分を控えめに、さりげなく歌いこなしています。相当な技術ですね。強調すれば、かっこよく、もっと簡単にできるのでしょが、オリジナル歌手の個性にかぶってはいけないということではないかと、昨今思っています。かもしれないと思わせるほど、気配りができる素敵な「美しい人」なのです。

    #8042
    ひろっち
    ゲスト

    七つ星さん、ありがとうございます。

    また、明日書き込みさせてあただきます。

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